小学生の矯正とは?
『この時期しかできない特別な治療』
学齢期(小学生)に行う矯正治療は、乳歯から永久歯の間に行います。ぐんぐんと成長する力を利用したり、抑制できたりするのはこの時期しかありません。子どもの歯並びやあごの発育にとっても、この時期はとても大切です。
将来生えてくる永久歯のための土台を整えておくことが、子どもの矯正治療の大きな目的になります。
小学生の矯正は必要か?
大切な永久歯を守る
大人になってからの矯正治療では、歯をきれいに並べるためのスペースを抜歯によって確保するケースがほとんどです。しかし、骨がまだ柔らかい子どもの間は、あごを拡大して、永久歯の生えるスペースを確保することができ、将来抜歯せずに治療できる可能性が高くなります。
また、悪い歯並びをそのままにしておくと、「しっかり噛めない・虫歯・歯周病・発音障害」など、成長発育上様々な問題を引き起こします。
子どもの間に矯正治療を受けていれば、自分の歯や咬み合わせに関心を持ち、歯磨きの意識も高まります。良い歯並びを保つことは、大人になってから後悔することの多い虫歯や歯周病に対する最大の予防といえます。
あごの成長をコントロールする
あごの成長を促進または抑制することで、骨格が正常に成長発育するように誘導することができます。伸び盛りの時期に顎の成長をコントロールすることで上下の顎のバランスが整い、骨格から改善することができます。
1期治療と2期治療
当院ではお子さまの矯正治療を、乳歯と永久歯が混在している時期の「1期治療」と、第一大臼歯までの歯が永久歯に生え変わって以降の「2期治療」に分けております。それぞれのタイミングで目的や治療方法も異なります。
いずれの段階であっても早期に治療を始めることは、その後の発育にいい影響を与えることに違いありません。
1期治療
顎の骨格を中心とした治療でしっかりとした土台作りを目指します。
上下の前歯が生え変わる頃(6〜8歳ごろ)に、歯並びの問題点が浮かび上がってきます。そのタイミングが治療開始の目安です。
永久歯の萌出スペースの確保や、成長をコントロールする治療を行います。小学校に入学したら一度矯正専門医に診てもらうことをおすすめします。
1期治療で使用する矯正装置
大きく分けて「取り外しタイプ」「固定式タイプ」「お口の外につけるタイプ」があります。歯並び、かみ合わせ、骨格の状態を細かくチェックし、お子さまに合わせた装置を用いて矯正治療を行います。
また、治療の段階によって使用する装置が変わる場合もあります。
取り外し可能な装置の使用時間は基本的に就寝時のみなので、日常生活の支障になることはありません。
治療にはお子さまの協力がとても重要です。
お子様自身の「矯正をやってみたい!」「歯並びをきれいにしたい!」というお気持ちが大事です。
当院では親御さんはもちろん、小さいお子様の「なぜ?」「どうして?」にもしっかりとお答えし、楽しんで治療に取り組んでいただけるようにコミュニケーションを大切にしています。
子どもの第1期治療は、1ヶ月半〜3ヶ月に1度の通院が目安になります。
2期治療
第1期治療で作った土台に生えた永久歯をきれいに整列させ、正しく美しい歯並びを完成させます。
小学校高学年は、最後に残った乳歯が抜ける時期に当たります。
この頃は、思春期成長が始まり、顔つきが「こども」から「大人」へと変化する時期です。この成長の変化を利用すれば矯正治療も順調に進めることができます。
第1期治療の効果があらわれ、しっかりとした土台作りができていれば、第2期治療の期間を短縮できるほか、抜歯のリスクも軽減できます。
治療開始は第二大臼歯が萌出しはじめる12歳ごろが目安です。
2期治療で使用する矯正装置
第2期治療では大人の矯正治療と同じ、固定式のブラケット装置または取り外し可能なマウスピース型の矯正装置を使用します。
子どもの矯正治療の流れ
当院ではお子さまの矯正治療を、乳歯と永久歯が混在している時期の「1期治療」と、第一大臼歯までの歯が永久歯に生え変わって以降の「2期治療」に分けております。それぞれのタイミングで目的や治療方法も異なります。
いずれの段階であっても早期に治療を始めることは、その後の発育にいい影響を与えることに違いありません。
検査
お口の中の状態を検査します。
診断
検査資料を元にお子さまの状態に応じた治療方針をご提案いたします。
治療に使う装置、期間、治療費などを詳しくご説明いたします。
口腔衛生指導
取り外しの装置であっても歯みがきはとても大事です。
矯正治療を開始する前にしっかりと歯みがき指導をいたします。
第1期治療
永久歯が生えそろう前の小学生向けの治療です。
最適な治療のタイミングを見極め、適切な治療を行います。
通院間隔は約1ヶ月半〜3ヶ月です。
再診断
永久歯が生えそろう時期に第1期治療の再評価を行い、第2期治療の必要性の判断をいたします。
第2期治療
生えそろった永久歯を正常な歯並びと咬み合わせにしていきます。
通院間隔は約1ヶ月〜2ヶ月です。
保定
歯が安定した状態に落ち着くまで後戻りを防止する「保定装置」を装着いたします。
終了後数年間は定期的なチェックも行っていきます。
歯磨きの重要性
矯正治療で歯並びがきれいになっても、虫歯ができたり、ぷっくりした赤い歯ぐきになってしまっては意味がありません。
治療開始前に歯科衛生士の歯磨き指導を受けていただきます。
正しい歯磨きを日頃から実践して、効率的に歯の汚れを取り除き、お口の健康を守りましょう。
症状別の矯正治療
受け口の早期治療
当院ではお子さまの矯正治療を、乳歯と永久歯が混在している時期の「1期治療」と、第一大臼歯までの歯が永久歯に生え変わって以降の「2期治療」に分けております。それぞれのタイミングで目的や治療方法も異なります。
いずれの段階であっても早期に治療を始めることは、その後の発育にいい影響を与えることに違いありません。
埋伏歯、過剰歯、欠損歯の治療
乳歯が抜けたのになかなか永久歯が生えてこない場合、骨の中で問題が起こっている場合があります。
レントゲンを撮って、埋まっている永久歯の位置や向きは正しいか?余分な歯(過剰歯)などが邪魔をしていないか?歯の数は足りているか?という検査をして、スムーズな歯の交換ができるように対処します。
MFT(口腔筋機能療法)
歯は唇、頬、舌に囲まれており、このうちどれかに問題があると、歯並びや咬み合わせに影響が出ていしまいます。なかでも舌が歯に与える影響は大きく、舌が原因で出っ歯や受け口、開咬などになってしまうケースがあります。
当院では、歯科衛生士と一緒に口の筋肉のバランスを正すMFT(口腔筋機能療法)というトレーニングをマンツーマンで行い、口腔周囲筋が原因で起こる不正咬合の改善を目指します。