開咬(前歯で噛めない)

開咬とは

上下の歯が垂直的に噛み合っていない状態を開咬(オープンバイト)と言い、「かいこう」と呼びます。奥歯が噛み合わないこともありますが、前歯が噛み合わない状態が一般的で、奥歯に負担がかかり続けることで将来的に奥歯を失うリスクが高まるとされています。

開咬の原因

指しゃぶりや舌の癖などの悪習癖や、鼻疾患による口呼吸、また遺伝などが原因になります。
歯は、歯列弓の外側にある口唇や頬筋と、内側にある舌の力のバランスが調和している所に並びます。
開咬であるために口腔周囲の悪習癖を作り出し、またその悪習癖が開咬を作り出すという悪循環を繰り返してしまいます。

開咬による弊害

  • 咀嚼障害(咀嚼能率の低下、咬合力の低下)
  • 嚥下障害(物を食べる時にクチャクチャ音がする)
  • 発音が不明瞭(特にサ行、タ行、ラ行)
  • 上下の顎の成長障害
  • 口が閉じにくい

など、開咬状態を放置しておくと様々な弊害があります。

開咬の矯正治療

開咬を治療するにあたり、MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれるトレーニングを矯正治療と並行して行っていきます。
開咬の治療は難易度が高いだけでなく、元に戻りやすいため、治療後の保定も非常に重要になります。

Method.01
子どもの場合

混合歯列(乳歯と永久歯が歯列内に混在している時期:6〜10歳ごろ)の場合は、原因(吸指癖や舌癖)の除去が最も有効です。

舌の癖を改善したり、咬む力をトレーニングするためにMFT(口腔筋機能療法)を行ったり、舌が前歯に当たらないようにするための装置(タングクリブなど)を装着することもあります。

子供の時期からこのように癖の改善を行うことは、適応能力も高く、成長もコントロールしやすいことから、より効果的であると言われています。

Method.02
中高生・大人の場合

開咬は前歯の前突が組み合わさっていることも多く、永久歯の抜歯が必要になることが多いです。歯科矯正用アンカースクリューを併用し、臼歯部を圧下して治療を行うこともあります。

また、年齢が上がるにつれて、今までの癖は抜けにくく、MFT(口腔筋機能療法)の効果は得にくいとされていますが、癖がある限り歯は元の位置に戻ってしまうのでぜひ取り組まれると効果的です。

成長途中のお子さまはもちろん、成長が終了した大人の方でも開咬の治療は可能です。歯並びが気になりましたら、ぜひお気軽にご相談ください。相談は無料です。